浮気の証拠として位置情報を調べるのは違法?

浮気の証拠として位置情報を調べるのは違法?

浮気の証拠として位置情報を調べることは、方法によって違法になる可能性があります。自分が正当に利用できる端末やサービスを確認するだけなら、直ちに違法とは限りません。一方、相手のスマートフォンに無断で侵入したり、GPS機器やアプリで居場所を追跡したりすると、プライバシー侵害や不正アクセス、ストーカー規制法違反などが問題になることがあります。

位置情報を調べる方法によって違法性が変わる

「位置情報を調べた」という結果だけで違法と決まるのではなく、誰の端末・アカウントを、どのような同意や権限で確認したかが重要です。

調べ方 違法性の考え方
自分のスマートフォンや、自分のアカウントに保存された位置情報を見る 通常は、自分が管理・利用する範囲の確認であれば直ちに違法とは限りません
相手から明確な同意を得て、共有設定された位置情報を見る 同意の範囲内であれば、違法となる可能性は低くなります
相手のスマートフォンを無断で操作する プライバシー侵害や、認証を突破した場合の不正アクセスなどが問題になる可能性があります
相手の車や持ち物にGPS機器を取り付ける 無断追跡として、プライバシー侵害やストーカー規制法などが問題になる可能性があります
相手のアカウントにパスワードを使って無断でログインする 不正アクセス禁止法に触れる可能性があります

表は一般的な整理であり、実際の判断は、端末の所有者、アカウントの名義、パスワードの入手方法、同意の有無、追跡の期間や目的などによって変わります。

相手のスマートフォンを無断で確認すると違法になり得る

相手のスマートフォンを勝手に開き、位置情報の履歴や地図アプリを確認する行為は、夫婦や交際相手であっても当然に許されるとは限りません。

特に、ロックを解除するためにパスワードや認証情報を無断で使ったり、アカウントのパスワードを推測・入手してログインしたりすると、不正アクセス禁止法違反が問題になることがあります。端末を直接操作しただけでも、私生活上の情報を無断で見たとして、民事上の損害賠償を請求される可能性はあります。

「以前にパスワードを教えてもらった」「夫婦だから端末を見てもよい」といった事情だけで、現在も無制限に確認できるとは限りません。過去の同意が、位置情報の閲覧まで含むのかも確認が必要です。

GPS発信機や追跡アプリの無断利用は注意が必要

相手の車やバッグにGPS発信機を取り付けたり、スマートフォンに追跡アプリを無断で入れたりする方法は、違法性が高くなりやすい行為です。

ストーカー規制法では、正当な理由なく相手の位置情報を取得したり、位置情報を取得できる機器を取り付けたりする行為が規制対象となる場合があります。浮気の確認が目的でも、目的だけで無断追跡が正当化されるとは限りません。

また、ストーカー規制法に当たらない場合でも、相手の行動を継続的に監視したとして、プライバシー侵害や不法行為に基づく損害賠償の問題になることがあります。追跡の対象が車であっても、車を使う相手の行動や滞在先が継続的に分かる場合は、私生活への干渉と評価される可能性があります。

違法な方法で集めた位置情報は浮気の証拠として使える?

違法な方法で得た位置情報でも、民事裁判で必ず自動的に排除されるとは限りません。ただし、違法性が高い収集方法であれば、証拠としての信用性や採用の可否が問題になります。

裁判所は、位置情報の内容だけでなく、どのように入手したか、プライバシーをどの程度侵害したか、他の証拠と整合するかなどを考慮します。違法な収集によって相手から逆に損害賠償を請求されることもあるため、「裁判で使えるかもしれない」という理由だけで無断追跡を行うのは危険です。

そもそも、ある場所に滞在していたことが分かっても、それだけで浮気や不貞行為が証明されるとは限りません。位置情報は、宿泊施設への出入りの記録、本人の発言、写真、メールなどと組み合わせて評価される補助的な証拠にとどまることがあります。

合法性を判断するために確認する4つの条件

位置情報を証拠として扱う前に、次の条件を確認してください。

  1. 誰の端末・アカウントかを確認する。自分の端末や、自分が契約・管理するサービスであっても、相手の情報を無断で取得していないか確認します。
  2. 相手の同意があるかを確認する。位置情報の共有に同意していた場合でも、いつからいつまで、どの情報を見ることに同意したのかを区別します。
  3. パスワードやロックを無断で使っていないかを確認する。認証を突破したり、秘密の情報を使ってログインしたりする方法は避けてください。
  4. 追跡機器やアプリを取り付けていないかを確認する。無断で取り付ける方法は、ストーカー規制法やプライバシー侵害が問題になりやすい方法です。

浮気の証拠を集めるなら、無断追跡以外の方法を検討する

位置情報だけに頼らず、すでに自分が適法に取得・保管している資料を整理する方法が考えられます。たとえば、自分宛てに届いたメッセージ、共有の家計資料、自分が撮影した写真などです。ただし、相手のアカウントに無断でログインしたり、他人の端末からデータをコピーしたりする方法は避けてください。

離婚や慰謝料請求を考えている場合は、集めようとしている方法が適法か、証拠として役立つ可能性があるかを、実行前に弁護士へ相談すると安全です。探偵に依頼する場合も、依頼先がどの方法で調査するのか、GPS機器の使用や無断ログインを行わないかを事前に確認してください。

浮気の証拠として位置情報を調べるときの結論

位置情報の確認は、本人の同意や正当な管理権限の範囲内なら直ちに違法とは限りません。しかし、相手のスマートフォンやアカウントへの無断アクセス、GPS発信機や追跡アプリによる無断追跡は、違法となる可能性があります。

位置情報が浮気の証拠として使えるかどうかも、取得方法と内容によって変わります。まずは無断操作や無断追跡を行わず、手元にある資料をそのまま保存し、必要なら証拠を集める前に法律の専門家へ確認してください。